翼状片とは
結膜(白目)および結膜下の結合組織が角膜(黒目)に入り込む病気です。
翼状片に引っ張られて角膜が変形したり、翼状片の組織が黒目の中央(瞳孔領)を覆うことで、視力が低下します。
翼状片の組織は血流豊富な組織のため、目が充血しやすくなります。
翼状片の組織に牽引されて角膜の形が歪むと不正乱視が生じて視力が低下します。
翼状片が角膜の中央方向に進行し続け瞳孔領を覆えば、患者さまは目隠しをされたような状態になり、やはり視力が低下します。
翼状片の原因
原因はまだ解明されていませんが、慢性的な刺激(風や塵埃)や紫外線と関係していると言われており、女性より男性の方が発症しやすく、年齢が上がるほど有病率が高くなることがわかっています。
翼状片の治療・手術について
翼状片は進行が遅い症例も多く、視力低下がない場合、まずは定期通院にて経過観察を行います。患者さまが見た目を気にして手術を希望する場合は、視力低下がなくても行うこともあります。
ただし、手術では角膜(黒目)にかかる部分をおもに切除するため、結膜の充血は完全には取れません。
さらに、翼状片は術後に再発することも珍しくなく、再発の場合は術前と比べて進行速度が速くなることもあります。
すでに翼状片による視力低下がある場合、手術以外に視力を改善させる方法はないと言われています。
手術の流れ・費用
手術の流れ
01.手術の約1ヶ月前
外来にて手術が可能なのか調べるために当院で採血を行います。
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02.手術前日
入浴を済ませていただきます。
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03.手術当日
昼食は12:00までに済ませてください。
- 14:15に来院してください。
- お化粧は控えていただきます。
- 当院で体温・血圧測定を行います。
- 当院で洗顔をします。
- 麻酔の目薬、抗菌薬の目薬を点眼し、手術室へ移動します。
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04.持ち物
- 手術同意書、保険証、診察券
- キャンセルはいつでも承ります。
- 手術当日の朝に体温が37.5度以上ある場合、体調が優れない場合にはお電話ください。
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05.手術開始
当院で準備している患者さま用のガウンと帽子を被り、手術室へ入室します。
麻酔の点眼後に清潔なシートをお顔にかけます。
消毒後に麻酔の注射を行い、手術が開始されます。
手術時間は1時間半〜2時間です。
06.手術終了後
- 手術終了後、眼帯をつけたまま30分程度休憩室で休んでいただきます。
- 抗生物質の内服薬と目薬の処方があります。
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07.帰宅
ご帰宅されてからは、無理をしなければ通常通りに過ごしていただいて構いませんが、
転倒・転落に注意してください。
手術費用等ご質問のある方は直接お電話にてお問い合わせください。
手術後の注意点
- 眼帯は、次の日の診察まで外さないで過ごしてください。
- 抗生物質の内服は夕食後から開始します。
- 目薬は次の日の診察後から開始となります。
- 入浴や洗顔は医師の許可がでるまで行わないでください。
- 手術後のお食事の制限はございません。
よくあるご質問
手術の痛みにはどのようなものがありますか?
手術時に麻酔の点眼、注射を行いますが、目を押される感じや、翼状片組織の切除時に痛みが生じることも稀にございます。
その際には麻酔の点眼・注射の追加を行い、痛みが最小限に抑えられるよう調整いたします。
翼状片を予防するには何か方法がありますか?
原因はまだ解明されていませんが、慢性的な刺激や紫外線と関係しているといわれているため、帽子やサングラスを使用し紫外線を避けて過ごしましょう。
翼状片は手術しても再発しますか?
手術後は術後の炎症が刺激となり再発に繋がることがあります。再発予防のために紫外線を避けること、医師の指示に従って術後の点眼を続けていただくことが大切です。